Amazonprimeで中国ドラマ「サレ妻の華麗なる復讐」(原題:好事成双)を観ました。
中国ドラマでの現代ドラマは初めて。
いつも史劇ばかりみてました。
でも最近の中国史劇はワイヤーアクションのファンタジー感が満載で、ちょっと感情移入しにくくて、ちょっとなあ…。と思ってました。
何気なくこのタイトル、「サレ妻の華麗なる復讐」に興味を惹かれつつ、正直あまり期待せず観てみました。
なんと、あっという間に一気観してまいました‼
想像を超えて、想像以上に面白かったです!
ドラマ全体としてはストーリーもさることながら、展開のテンポやどんでん返しのどんでん返しなど、息つく暇がないほどで飽きさせません。
(でも音楽、回想シーン等は早送りしました。ごめんなさい(-_-;))
今回はその感想とドラマについて触れていきたいと思います。
ストーリー 優しそうな夫がまさかのクズ夫
物語の始まりは、一見理想的な夫婦生活。
ヒロイン林双(リン・シュアン)は専業主婦として夫を支え、家族を第一に献身的に尽くしています。
夫の衛明(ウェイ・ミン)は外では優しさと誠実さを装い、誰から見ても「理想の夫」。
ですが職場の部下である江喜(ジアン・シー)と付き合ってます。
物語は二人の不倫関係を、林双が知ってしまうことから始まります。
裏切り、浮気、無責任、そして騙し合いと友情と愛情とはなにか。
ハラハラドキドキと、存分に感情移入出来る見応えのあるドラマです。
他人事ではない、専業主婦の無力感に共感
私がまずこのドラマを観ていて感じたのは、ヒロインの「専業主婦としての立場」。
いざ、離婚をしようと思っても、収入のない専業主婦は子供の親権すら獲る事が出来ない可能性が高いということ。
離婚理由が、旦那側にあるとしてもですよ!!
理不尽に感じますが、これが現実。
家事も育児も全力でこなしているのに、社会的には評価されにくい“主婦と言う役割”。夫の稼ぎに依存していることで、自分の人生のハンドルを握れていない無力感。
シビアだな。と思いました。
「家族や夫のために自分を犠牲にしてきたのに、結局この仕打ち?」
この感情は多くの女性たちにとって中国でも日本でも決して他人事ではなく、共感や怒りを呼び起こします。
私もドラマを観ながら、家で「なんでだ~!ふざけるな!」と思わず叫んでました。
だからこそ、ヒロインが立ち上がり、自分自身の人生を取り戻そうとする姿が痛快であり、胸を打ちます。
敵同士だったのに、まさかの親友へ
ドラマの中で大きな見どころの一つは、人間関係の意外な変化です。
最初は敵対していた相手――例えば夫の不倫相手やライバル的存在――と、いつしか心を通わせ、親友のような関係になっていく展開。
これは単なる“ドロドロ劇”の枠を超え、人間の関係性がいかに変わり得るかを描いています。
タイトルだけ見ると、ドロドロの愛憎劇を思い浮かびます。
もちろん、かく言う私も愛憎いっぱいの、最後は「スカッと悪者退治~」ぐらいの感覚で観てました。
林双は夫・衛明と離婚し、親権と夫婦の共有財産の正当な額を得て離婚するために、江喜に協力」を願い出ます。
(この切り替えの速さ!中国っぽいと思いました)
でも林双は同じ女性として、江喜に同情心を感じており、衛明の正体に「早くあなたも気付いて」と願っているようにも感じます。
後にふたりは、お互いに本音をぶつけ合うことで、新しい信頼が芽生えます。
裏切りから始まった関係でも、利害や憎しみの向こう側に、人としての共感や連帯が生まれる。
「女同士の戦い」だけではなく、「女同士の支え合い」へと物語が転じていく流れは、新しい展開で面白かったです。
「女の友情、ハムより薄い」とよく言ったものです(笑)
高校生の娘からその言葉を久しぶりに聞いて、笑ってしまいました。
「人はどこまで信じられるか」
このドラマのテーマでもあります。
中国ドラマ「サレ妻の華麗なる復讐」林双と江喜、二人のヒロインに注目!
「サレ妻の華麗なる復讐」の原題:「好事成双」の意味とは
この作品の原題は「好事成双(ハオシーチェンシュアン)」。
直訳すれば「よいことは二重にやって来る」「良いことはペアで訪れる」という意味です。
中国では結婚式や祝いの席でよく使われる吉祥の言葉で、「幸せは重なり合い、倍になってやって来る」という祝福のニュアンスを持っています。
では、なぜこのドラマがその言葉をタイトルにしているのか。
最初は皮肉にも思えます。
裏切り、崩壊、失望――決して「好事」とは言えない現実から物語は始まるからです。しかしストーリーが進むにつれて、「好事成双」の意味が違った角度から見えてきます。
・“偽物の幸せ”を失ったことで、本当の自分を取り戻す。
・敵だと思っていた相手が、思いがけずかけがえのない友になる。
・一つの幸せが終わることで、もう一つの新しい幸せが始まる。
つまり、「幸せは一つだけではないし、失った後にまた新しい幸せが重なって訪れる」という人生の真理を、このタイトルで表現しています。
このドラマのテーマでもあると思いました。
復讐の物語というよりは、再生の物語
タイトルに「華麗なる復讐」とありますが、この作品は裏切られたヒロインがただ泣き寝入りするのではなく、しっかりと戦い、時に仕返しをし、人生を逆転させていく物語です。
単なる復讐劇ではなく、「失ったものの先に、新しい絆と喜びがある」と教えてくれる再生の物語でもあります。
ヒロインが最後に得たのは、夫を懲らしめる快感ではなく、自分自身を取り戻し、信頼できる仲間を得たという確かな幸せ。
その姿は、「あきらめなければ、人生のやり直しは何度でもできる」と勇気を与えてくれます。
そして自分を、「朋友(友達)」を信じ切る事の大切さを感じさせてもらいました。
まとめ
中国ドラマ「サレ妻の華麗なる復讐(好事成双)」は、ただの愛憎劇ではありません。
優しそうに見えて裏切る夫への怒り、専業主婦としての無力感から立ち上がるヒロインの強さ、そして敵が親友へと変わる驚きの展開。
またヒロイン林双と幼い頃からのライバルでもあり、陰ながら支える顧許(グー・シュン)もドラマに彩を与える大切な存在です。
「失うことの中にこそ、本当の幸せを見つける」という深いテーマ。
タイトルの「好事成双」とは、単なるおめでたい言葉ではなく、「幸せは一度壊れても、また別の形でやって来る」という希望のメッセージでもあります。
人生の苦しみや裏切りを経験した人ほど、この言葉の意味が心に響くのではないでしょうか。
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