韓国ドラマ ユン・シユン主演「サイコパスダイアリー」は、サスペンスというジャンルにありながらも、驚くほどコミカルで観やすい作品です。
連続殺人鬼の“犯行手帳”を拾ってしまったことで、記憶を失った主人公が「自分こそがサイコパスだ」と思い込んでしまうという、斬新でクセの強い設定。
しかし、その奇抜さとは裏腹に、物語全体は軽快なテンポとユーモアにあふれ、サスペンスが苦手な人でも楽しめる魅力があります。
今回は、そんな本作の魅力を、登場人物・あらすじ・コミカルな展開・キャラクターの成長という視点からレビューしていきたいと思います。
登場人物とあらすじ 奇想天外な設定がクセになる
物語の主人公は、気が弱くて人に逆らえない“典型的いい人”、ユク・ドンシク(ユン・シユン)。
職場でも家でも都合よく扱われ、自己肯定感は底辺。
しかしある夜、偶然通りかかった現場で、連続殺人鬼が落としていった「殺人日記」を拾ってしまいます。
さらに、逃げる途中で車にはねられ記憶喪失に。
目を覚ましたドンシクは、手帳に書かれた残酷な記録を見て「これは自分のこと……自分はサイコパスなのか!?」ととんでもない勘違いをしてしまうのです。
一方、その手帳の本当の持ち主は、外見・知性・社会的地位すべてが完璧な実際の連続殺人鬼ソ・イヌ(パク・ソンフン)。
記録を奪われたことで焦るイヌと、記憶を失ったドンシク――この“二人のずれた関係”が物語の大きな魅力になっています。
さらに、正義感あふれる新人警察官シム・ボギョン(チョン・インソン)が物語に温かみと爽やかさを加え、サスペンスなのに妙に心がほぐれるドラマへと仕上がっています。
笑いが止まらない!コミカルなストーリー展開
このドラマの最大の特徴は、コミカルなストーリー展開がとにかく笑えること。
とくに「サイコパスらしく振る舞おう」とするドンシクの頑張りが空回りし続ける展開は、毎話ツッコミどころ満載です。
例えば、威圧的になろうとするのに、なぜか周囲から「今日のドンシクさん、優しくて素敵!」と褒められてしまうシーン。
恐ろしい行動をしようとしているのに、結果的には誰かを助けたり励ましたりしてしまう。
本人は“闇の人格”をアピールしているつもりなのに、周囲に伝わるのは“超善人”。
そのギャップが、じわじわと笑いを誘います。
連続殺人鬼×人がいい記憶喪失男の掛け合いが最高
あなたの感想にもある通り、本作の醍醐味はやはり、
連続殺人鬼イヌと、善良すぎる記憶喪失のドンシクのやり取り。
本当は残酷な殺人鬼なのに、対峙するドンシクが天然すぎて完全にペースを乱されてしまうイヌの姿が最高に面白い。
ドンシクの勘違いによって、イヌの計画がどんどん狂っていくのに、本人同士はまったく噛み合っていない……その“奇妙な化学反応”が全シーンで炸裂します。
サスペンスなら本来は緊張するはずのシーンなのに、なぜか笑ってしまう。
この独特のトーンこそが「サイコパスダイアリー」の最大の魅力だと思います。
コメディの裏にある“成長物語”が胸に響く
そして見逃せないのが、主人公ユク・ドンシクの成長ドラマとしての側面です。
最初は気が弱く、周囲に振り回され、自己評価の低い人物だったドンシク。
しかし、「自分はサイコパスだ」という誤解をきっかけに、皮肉にも“強さ”を手に入れていきます。もちろんそれは本物の暴力性ではなく、
自分の弱さと向き合う勇気
人を守ろうとする優しさ
といった、本来彼が持っていた内なる力。
このドラマが好きな理由は、笑いの裏に“人として成長する物語”がしっかり描かれているから。
コミカルなだけではなく、見終わった後に静かに感動が残るのが、この作品の秀逸なところだと思います。
とくに後半にかけてのドンシクの変化は、胸にじんわりと温かさを感じました。
「弱いと思っていた自分も、誰かのために強くなれる」――このテーマに励まされます。
まとめ 笑って、ハラハラして、ちょっと泣ける名作
「サイコパスダイアリー」は、
・コミカルな笑い
・ズレた二人のやり取り
・テンポの良いサスペンス
・キャラクターの成長
この4つが見事に融合した、他にはないタイプの韓国ドラマです。
“笑いたいけど、軽すぎるのは嫌”
“サスペンスが見たいけど、重いのは苦手”
そんな気分の日にピッタリ。
個人的にも、思っていた以上に笑えて、最後には温かい気持ちになれる作品でした。
奇抜な設定に抵抗がある人こそ、ぜひ一度見てほしいドラマです。

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