韓国ドラマ「僕のヤバい妻」感想レビュー 怖いのに笑える夫婦サスペンスの傑作

 

 

完璧な妻は天使か、それとも悪女か。

笑えないのに笑ってしまう夫婦サスペンスドラマ。それが韓国ドラマ「僕のヤバい妻」。

※本作は2020年放送の韓国ドラマで、日本では2016年放送のドラマ「僕のヤバい妻」の韓国リメイク作品です。

あらすじ

韓国ドラマ「僕のヤバい妻」は、順風満帆に見える夫婦の裏側に潜む、欲望と嘘、そして歪んだ愛情を描いたサスペンスコメディです。

主人公のシム・ジェギョン(キム・ジョンウン)は、美しく知的で、誰が見ても完璧な妻。

一方、夫のキム・ユンチョル(チェ・ウォニョン)は、レストランを経営する料理人で、表向きは穏やかですが、心の奥では妻への劣等感と息苦しさを抱えています。

結婚生活が長くなるにつれ、ユンチョルは次第にジェギョンの完璧さに押し潰されそうになり、不倫関係へと逃げ込みます。

そしてついには、「妻がいなくなればいい」という、取り返しのつかない考えにまで至ってしまうのです。

ところが、計画を実行する前に、今度は妻のジェギョンが突然失踪。

誘拐事件として物語は動き出しますが、話が進むにつれ、「この妻は本当に被害者なのか?」という疑念が浮かび上がってきます。

ここから始まるのは、夫婦という最も近い関係だからこそ起きる、静かで恐ろしい心理戦でした。

出演者の演技が実にコミカルで面白い

このドラマを観ていて私は「演技の力でここまで面白くなるのか」という驚きでした。

夫・ユンチョルを演じるチェ・ウォニョンは、情けなくて自己中心的で、見ていると腹が立つのに、どこか人間臭くて目が離せません。

追い詰められて右往左往する姿があまりにリアルで、思わず笑ってしまう場面も多かったです。

そして何より圧巻なのが、妻・ジェギョンを演じたキム・ジョンウン。

優雅で理知的な笑顔の裏に、冷静さと狂気を同時に宿していて、そのギャップが本当に怖い。それなのに、どこか余裕たっぷりでコミカルにも見えてしまうのが不思議でした。

シリアスな展開のはずなのに、俳優陣の振り切った演技のおかげで、ブラックコメディとしての面白さもしっかり成立しています。

このバランス感覚こそ、韓国ドラマならではだと感じました。

熟年夫婦の関係から問われる「夫婦とは何か」

「僕のヤバい妻」を観ながら、私は何度も「これは極端だけど、決して他人事じゃない」と思わされました。

長年連れ添った夫婦だからこそ、感謝を言葉にしなくなり、相手を理解している“つもり”になってしまう。

その小さなズレが積み重なった結果が、この物語の狂気なのだと思います。

ユンチョルは、ジェギョンに経済的にも精神的にも支えられているのに、その事実から目を背け、不満だけを募らせていきます。

一方でジェギョンも、夫を愛しているがゆえに、無意識に支配し、自分の世界の中に閉じ込めようとする。

愛情と支配、信頼と依存。

その境界線の曖昧さが、観ていてとても怖かったです。

「夫婦とは、分かり合っている関係なのか、それとも分かったつもりでいるだけなのか」

このドラマは、そんな問いを静かに、しかし強烈に投げかけてきます。

まとめ:ハラハラドキドキ、ベテラン俳優たちがおくるサスペンスコメディ

韓国ドラマ「僕のヤバい妻(2020)」は、ハラハラドキドキのサスペンスでありながら、思わず笑ってしまうブラックコメディ要素も兼ね備えた、大人向けの作品でした。

キム・ジョンウンとチェ・ウォニョンというベテラン俳優だからこそ表現できた、緊張感とユーモアの同居が、このドラマの最大の魅力だと思います。

怖いのに面白い、笑えるのに後味が悪い。

その独特の余韻が、観終わったあともずっと残ります。

ただの夫婦サスペンスではなく、「夫婦とは何か」「愛とは何か」を考えさせられる、印象深い一作でした。

是非ご覧ください。

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