Amazonprimeで中国ドラマ「サレ妻の華麗なる復讐」の追加ブログです。
今回はドラマでのヒロイン二人と彼女らを取り巻く人間模様について、考察、感想を書きたいと思います。
ドラマの内容、感想はこちらのブログをご参照ください。
中国ドラマ「サレ妻の華麗なる復讐」感想 タイトルにやられた!想像と違った(ネタバレあり)
作品概要のおさらい
作品全体のキャスト・基本情報を簡単に整理しておきます。
ドラマ名:好事成双(邦題「サレ妻の華麗なる復讐」)
話数:全36話
監督:テン・ホァタオ(滕华涛)/ワン・ウェイ(王为)
原作:朗朗(小説「双喜」)
主な出演者:
– チャン・シャオフェイ(張小斐)林双
– チャン・ジアニー(張嘉倪)江喜
– 黄暁明(ホァン・シャオミン)顧許
– 李泽锋(リー・ザーフォン)衛明
主人公 林双(リン・シュアン)の苦悩
林双は、専業主婦。
元々はキャリア志向があり、結婚前は仕事をしていました。
学生の頃からとても優秀で、将来を嘱望されていた存在。
でも結婚・出産を機に家庭に入った専業主婦になります。
夫の不倫が発覚し、離婚を決意した後、娘の親権を得るために仕事復帰を試み、さらには正当な対価を慰謝料として得るために、計画を立てます。
物語が進むにつれて、ただの被害者という立ち位置から、自分を取り戻していく「再生」の軌跡を歩む人物です。
ドラマのなかで夫・衛明がよく「君が決めたんだろ」と言うセリフが出てきます。
一見、二人の話し合いで決まったかのようなこの言葉。
でも巧みに林双が、そういわざる得ない状況に追い込まれてるのが、観て取れます。
この旦那の狡さ、こざかしさも去ることながら、女性がそう言う決断をせざる得ない、社会状況や社会通念があるんだなと思いました。
根強い「儒教思想」
良い面もたくさんありますが、それらが女性自身を縛ってしまってるのも事実だと思いました。
またそれは女性のみならず、男性も縛ってる。
衛明の両親、そして江喜の母がドラマの中ではその典型で、林双の両親と対照的に描かれてます。
ドラマではそれらの縛りからの解放もテーマなんじゃないかと思います。
チャン・シャオフェイ(張小斐)中国の演技派女優
ドラマ・映画ともに活躍しているチャン・シャオフェイ。
代表作には『你好,李焕英(こんにちは、私のお母さん)』などがあります。
本作では、家庭・出産・裏切り・再起などのストレス・葛藤を抱える林双を、視聴者が共感できるレベルで抑えた演技で見事に演じています。
印象・見どころ初めは控えめで静かな印象の女性として描かれている彼女が、内側に抱える怒り、悲しみ、そして立ち上がる強さをだんだんと見せていく展開が、林双の成長物語を際立たせています。
見ていて胸が締めつけられる場面も多いですが、絶望の中から少しずつ光を見出していく姿が印象的です。
特に、夫への裏切りを知ってしまった瞬間から、子どもとの関係、仕事復帰の苦労……それらを同じ女性が共感できる演技の力を感じさせます。
林双が少し優しすぎるんじゃないか⁈と感じる場面もあり、観ている私としてはやきもきしました。
ですがが結論。
「才女は落ち着いてる」と納得することもドラマではできます。
でもなかなか思い通りにはいかなくても、とにかくあきらめずコツコツやる。
何事もそれに尽きますね。
また浮気が発覚すると、まず相手の女性を責める傾向が多い中、早々と衛明にターゲットを絞る辺り、さすがです。
主人公 江喜(ジアン・シー)立ち位置が非常に難しい役
江喜は、衛明の部署の部下であり、最初は浮気相手側、いわゆる“対立軸”として描かれます。
物語が進む中で、林双と協力関係を築くようになり、最初は敵同士だった関係が、信頼関係を結んでいき親友になります。
不倫相手で対立されると思われる側でもありながら、彼女自身の苦悩・葛藤も描かれ、単純な“悪者”には収まらないキャラクターです。
江喜自身の家庭環境も非常に複雑で、幼い頃から愛情に飢えている面があり、最後まで「衛明を信じたい」そんな一途な思いが伝わります。
江喜自身は「出会う順番が違っただけ」という信念があり、林双の要請を最後まで拒否し続けます。
視聴者としては「早く気づけよー」とやきもきします。
しかも協力関係になるまでも、丁寧にしっかり描かれており、当初悪役だった江喜が途中から気の毒に感じ応援したくなるという、なんともドラマ制作チームの手のヒラで転がされてる様な展開になります。
江喜のビジュアルの美しさも必見です。
高校生の娘が「この人かわいい!」とこれまた虜になってました。
チャン・ジアニー(張嘉倪)美しい実力派女優
複数ジャンルで幅広い作品に出演してきた実力派女優 チャン・ジアニー。ラク
代表作に『延禧攻略』(瓔珞~エイラク)などがあり、古装・現代もの問わず存在感を示してきました。
江喜は、最初は“有利な立場”にいるように見えながら、実際には自分も苦しみを抱えている情の厚いキャラクターです。
そうした人間味ある感じが、ただの「不倫相手」役以上の存在感を与えています。
特に、林双と協力する場面や、心を通わせ始めるさまは、このドラマの友情の象徴でもあります。
チャン・ジアニーが演じる江喜は、視聴者に「理解できる/共感できるかもしれない」と思わせるギリギリのラインを行き来していて、その微妙な感情の揺らぎを表現できるのが魅力です。
林双と江喜という二人の女性の物語が、完全に分かれた線で進むわけではなく、二人の対比・重なりあっていくところです。
むしろ対立しながら、補い合い、時には衝突しながらも一緒に歩んでいく関係性がとてもドラマチックに描かれています。
林双は「被害を受けた妻」「再生する女性」という立ち位置。
江喜は「加害者」「裏切られる側」「罪を抱える女性」というスタンス。
この二人が互いに心を開き、協力し、最終的に友情や信頼を築いていく。
しかもその友情は確固たるもので、そのプロセスがとても丁寧で視聴者に感情移入させます。
また、二人の性格、過去、思い、恐れ、弱さ、強さ… そうした部分が交錯する中で、どちらか一方だけを“正しい”とか“悪い”と切り捨てるのではない。
そういう複雑さこそ、このドラマの魅力です。
江喜は非常に情が厚く、優しい女性。
苦しみながらも肉親の情を捨てきれない、甘えるのが苦手な健気な女性です。
私は当初は反感を抱きながらも、ドラマが進むにつれ次第に江喜がいとおしく思えてきました。
江喜が幸せになることを、願ってやみません。
まとめ
中国ドラマの中でも、近年特に注目を集めているのが「復讐」をテーマにした作品です。
なかでも話題になったのが「サレ妻の華麗なる復讐」(原題:好事成双)。
日本版タイトルは確かにキャッチーで、私もそのタイトルにのせられて観た一人ですが、もう少しなんかないのかな…。と思いました。
ヒロイン二人が対照的で、非常に魅力的に描かれてます。
同じ女性として、どちらの立場でも共感できる。
そんなドラマでした!
オススメです。
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